クリエイティビティの経営学

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6月8日に、東京大学において「クリエイティビティの経営学」という研究会を開催しました。講師の稲水伸行先生が経営学におけるクリエイティビティ研究を紹介した後、参加者同士の議論時間を設定しました。終始穏やかな雰囲気の中で会は進みました。

当日、稲水先生が特に取り上げたのはAmabileによる研究でした。私がとりわけ興味を持ったのはクリエイティビティそのものの測定です。クリエイティビティは、広がりのある概念です。操作的に定義するのが非常に難しい。Amabileの研究でも、その点は工夫(苦労?)を重ねているように見えました。

例えば、実験の中で被験者の作った産物を、複数の芸術家がクリエイティブかどうか判定する、という方法がありました。なるほど確かに専門家の共有された基準で評価を下すとなると、一見納得感があります。

ただ、そもそもクリエイティビティは、そうした既存の基準からの逸脱を伴う概念であるようにも思えます。専門家集団に評価されることとクリエイティビティは理論的に同じなのでしょうか。だからと言って、評価されない産物をクリエイティブだとみなせば良いのか。それは少し違う気もします。

いやはや難しい問題です。どうすれば良いのか即座に分かりません。そんな疑問を持たせてくれた研究会でした。数カ月後に、やはり同じくクリエイティビティをテーマに研究会を開催する予定です。その時までじっくり考えてみようと思います。