2020年も宜しくお願いします

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2020年になりました。2008年に個人事業主として活動を開始し、2009年に有限責任事業組合、2011年に株式会社を立ち上げたことを思い返すと、随分と歩を進めてきたものです。

ビジネスリサーチラボは、市場の中に研究室を作り、研究と実務の距離を近づけるという願望を込めた名ですが、個人的な実感としては、その意味するところの最低限は達成しつつあります。

本年は、今までの道を更に開拓しながら、加えて、人材の発掘や育成に力を入れます。研究者に実践知を、実務家に研究知を提供し、ビジネスリサーチラボの生態系を拡張していく所存です。

第9期が始まりました

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株式会社ビジネスリサーチラボは9月末で第8期を終え、10月から第9期が始まりました。株式会社化する前は有限責任事業組合ビジネスリサーチラボを運営していたので、かれこれ10年以上は事業を続けています。


私は事業活動を4つのフェーズにざっくりと分けて考えています。①探る、②定める、③固める、④積むというフェーズです。これらのフェーズは相互影響的であり、必ずしも一つずつ順番に進むわけではないのですが、第8期までのビジネスリサーチラボは、①と②が終わって、③に取り掛かり始めた段階にいると言えます。


試行錯誤しながらサービスの形を「探り」、その中で、およそサービスの形が「定まった」ため、それらを「アカデミックリサーチ」と呼ぶことで「固めようとして」いる、といった具合です。
第9期は③をしっかりと行いながら、④に踏み出していければと思います。④が安定化すれば、事業の第1部は完了し、第2部に入っていけます。第1部の④を着実に進めながらも、質的に異なる第2部の①へ踏み出していくということです。


第2部のスタートまで第9期で到達できれば最高ですが、まあ焦らずにやっていこうと思います。皆さま、どうぞ第9期も引き続きよろしくお願いします。

サービスページを更新しました

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ウェブサイトのコンテンツをその時々の状況に合わせて更新しています。4月には、サービスページの更新をしました。今現在、ビジネスリサーチラボの提供するサービスを種類ごとに整理し、その内容と進め方を簡単に記述しています。

◆サービスページ

サービスページを作成しながら気づいたことがあります。そこにおいて一旦は結実しているサービスに到達するまでに試行錯誤を経ているわけですが、自分たちが保有するリソースから合理的にサービスを導き出したのではないという点です。

何か今できることはないかとその都度足掻く中、市場から多様な反応を得て、それらの反応から逆算し、リソースを解釈的に見出して、粗々の(しかしその時々では真剣な)サービスを少しずつ変形させていくようなプロセスを通じて、現在のサービスにたどり着きました。

一度、サービスとして定式化できるようになると、それを促進するためにリソースを集中的に投下することも可能になります。これは投資しても良いことと割り切って、思い切った展開もできるようになったなと思います。

自由が丘にやってきた

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事務所を移転しました。恵比寿から自由が丘にやってきました。恵比寿は実に4年弱の期間過ごしました。早いものです。恵比寿に来た時と出る時を比較すると、事業が本格的に定まっています。

恵比寿での積み重ねを自由が丘でも引き継いで、今後もコツコツ進めていければと思います。市場の中で研究と実務の間に立つという、当初の目論見はだいぶ実現できているように思います。これからもよろしくお願いします。

新住所は下記の通りです。東横線自由が丘駅から徒歩5分、目黒線奥沢駅から徒歩7分の場所です。奥沢の飲食店も少しずつ開拓していければと、今から楽しみです。

 

〒158-0083 東京都世田谷区奥沢5-40-6

ZOOM自由が丘4F/5F

研究論文を読むこと

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ビジネスリサーチラボ設立以降で考えると、この2年ほどは特に学術論文・学術書を沢山読んでいます。大学院時代も概して読んでいる部類ではありましたが、それと同程度のリーディング量です。

このように読むようになった背景には、自分の従来の強みだけでは価値を十分に発揮しにくくなったことがあります。私は瞬発力や機転を頼りに価値提供を狙ってきた節がありますが、有り難いことに、それらだけでは通用しない場面に出くわすことも増えてきました。

そうした機会においても自分が必要とされるためには何をすれば良いか。幾らか考えた結果、研究論文をしっかり読むようになったというわけです。これは私の個人史にもフィットする新しくも古い強みと言えます。

認知、資源、感情の制約

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今年3月に、採用に関する本を出版しました。パフの釘崎さんとの共著で『「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール』(ナツメ社)というものです。この本は実用書であり、実用書を書くのは私にとって初めての経験でした。

【参考】書籍のAmazonページ

採用に関わる多くの方に読んでいただけるよう、かつ、実用的であるように、執筆の際に一つの工夫をしました。すなわち、人や組織の持つ「制約」に注目しました。

経営学の中では一般的に知られていますが、人には「認知」の限界があり、組織には「資源」の限界があります。人は無限の選択肢を検討できるわけではありませんし、組織は無尽蔵にお金や時間等を投じられるわけではありません。

これらの限界は制約を生みます。しかし、よく考えてみると分かる通り、制約が存在しない実践などありません。また、重要なことに、制約を意識したことで、本の中で示すノウハウを制約の程度を考慮して活用していただける可能性が開けました。

例えば、採用予算の大きさは、資源の制約を構成する要素の一つです。採用予算をたくさん持つ企業はこのノウハウはそこまで気にしなくても良いが、あまり持たない企業は実践するに値する、といった具合に、本の内容を理解できます。このように制約を想定することで、様々な環境下で採用に関わる方に読んでいただける本になったかと思います。

更に執筆プロセスにおいて、新たな制約の存在に思いが至りました。それは「感情」の制約です。今回の本では、採用の世界で共有された「誤った常識」を批判していますが、同時に何故そのような常識が受け入れられているかも考察しています。誤っているとはいえ、ある考え方が受け入れ続けていることには、それなりの理由があるはずです。

様々な常識について、それが受け入れられている理由を考える中で、しばしば挙げられる理由があることに気づきました。それは「感情」をめぐる理由です。特に「不安」と「嬉しさ」が基盤となって、誤った常識が存続しているケースが少なくないのです。

例えば、大規模な候補者群を形成しておかなければならないという常識は、そうでなければ採用計画人数を充足できるか「不安」だから、という理由が寄与していますし、志望動機を選抜に用いるという常識は、志望動機を語ってもらえると「嬉しい」という理由が影響しています。こうした感情の制約がもたらす影響は少なからずあるものだと、今回の本を書きながら学んだのでした。

代表挨拶の更新

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私の経営する株式会社ビジネスリサーチラボのウェブサイトに、代表取締役としての挨拶を掲載したページがあります。新年度だから、というわけでもないのですが、この度、その内容を大幅に加筆しました。

ビジネスリサーチラボは元を辿れば、私が大学院時代に、経営学の研究室を市場に作れないか、という発想のもと動き始めた一つの構想です。それは、研究と実務の境界線を滲ませ、両者を混ぜ合わせた活動を志向するものです。

そうした活動には本来的には多様なタイプがあり得ると思いますが、弊社においては、これまで社内外の方々と関わり、支援をいただきながら、現在の形にたどり着いています。表現や語彙に細かい修正はかけていますが、この数年は事業構造も安定してきています。

そのようなことを考えながら更新したのが代表挨拶です。あまり短い文章ではなく恐縮ですが、もし宜しければお読みください。これからもビジネスリサーチラボをよろしくお願いします。

https://www.business-research-lab.com/message